キャンプは秋からシーズン開始と思われている方がいいと思います、起きている時間は焚火や食事で快適に過ごせますが就寝時に不安がある方も多いのではないでしょうか?

寝袋に表記されている温度はどんな状況での温度なのか?
自分も快適に寝られるのか心配になる人が多いです
寝袋の下限温度(リミット温度)って実際どれくらいなのかと気になった方は多いと思います、自宅のパジャマでの使用温度か?雪山に向かうような装備での使用可能温度か?
今回は身近にある衣類で一体どれくらい着てみれば使用下限温度で寝られるのか?また使用下限温度を上回ることはできるのかを検証していきたいと思います
- 寝袋の選び方がわからない方
- 快適温度と使用下限温度の意味が分からない人
- どんな服装なら表記されている温度で寝付けるのか分からない人
寝袋に記載されている温度の意味とは?

表記されている温度は【ヨーロピアン・ノーム】という統一規格で表されています
快適温度=Comfort温度(コンフォート)

一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域とされています(快適使用温度)。
(一般的に女性は男性よりも寒さを感じやすいので約5℃程度高く使用温度を算出しています)
引用元ナンガ

誰でも快適に寝付ける温度なので快適温度を指標に購入すれば間違いですね!
下限温度=Limit温度(リミット)

一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域とされます(下限温度)。これよりも低い温度は、リスクのある温度域となります。
引用元ナンガ

丸くなったら寝られるという条件つきですが、リミットを下限値として寝袋選択をすれば軽量化につながりそうです
どんな服装ならいけるのか、気になります
極限温度=EXTREME温度(エクストリーム)

一般的な女性がスリーピングバックの中でひざを抱えるくらい丸くなった状態で6時間までなら耐えられる温度域とされます。体は震えを起こすことで熱をつくりだそうとし、基礎代謝量が増えます。なお、この温度域で使用すると低体温症になる恐れがあり、非常に危険です。
引用元ナンガ

エクストリーム温度は耐えられないものとして覚えておいた方がいいですね
ヨーロピアン・ノーム とは?

EN(ヨーロピアン・ノーム)とは、EU諸国における統一規格として制定されている規格の総称で、ヨーロピアン・スタンダードとも呼ばれます。スリーピングバックに関する温度表記についてはEN13537で算出が定義されています。今までは各メーカーが独自の方法で算出されていた使用温度を、同一基準で示しています。検査は認定された第三者機関が行う公平なもので、各メーカーの独自基準に基づく使用温度表示とは一線を画すものといえます。
引用元ナンガ

統一規格が採用されたことでメーカーが独自で測定していたデータではなく、きちんとした規格ができているのでヨーロピアン・ノームでシュラフを選んでいけばいいと分かります
ここで注意したいのがEU諸国における統一規格という点です、アジア諸国であれば体型にもある程度の共通がありますがEU諸国だと体型が異なる点ですね
体型の差を踏まえて、ヨーロピアン・ノームがどれほど私たちに当てはまるのか実際に寝袋で実験してみたいと思います
実験開始
- 温度は起床時(5:30)のテント外の温度を記載(実際の最低気温に近いと考えられるため)
- テント、グランドシート、エアマット、シュラフで実験
- 服装は高価なアウトドア用品でなく、ユニクロで準備(インナーは極暖の上下を指します)
- 靴下なし
- 暖房器具、湯たんぽ、ホッカイロなし
- 最悪の事態を加味して自宅前でテント泊(不思議な体験でした)
日常と同じレベルの装備での実験

22:30~5:30
5℃が下限温度のシュラフで普段の就寝時と同じ服装では寝付くことはできますし、十分な睡眠がとれました
夜間に一度のどの渇きで起きて水分補給をしたくらいです(少し熱かったのか?)、その後のすぐに寝付けました
顔が冷たくて寝付けないほどの温度ではないです
日常+インナーを追加しての実験

22:30~5:30
5℃が下限温度のシュラフで普段の就寝時と同じ服装+インナーで充分寝付くことができました、インナーをしっかり着ると暖かさが上がることがわかりました
3:30頃に一度目が覚めました、寒くて起きるというわけではなかったので時間を確認して再度すぐに寝付けました
10℃を切ると顔が冷たくて、鼻での呼吸が冷たく感じるので寝にくいです

しっかりドローコードを締めてミノムシスタイルにならないと顔と息が冷たくなる温度でした
5℃の下限温度のシュラフでは体感としては8℃あたりが快適に睡眠をとるのが限界に感じました
日常+インナー+ウルトラライトダウンを追加しての実験

22:30~5:30
5℃が下限温度のシュラフでは寝付くことはできますが、熟睡はできませんでした
90分から120分ごとに何かしらで目が覚めていたので翌日の疲労感がありました
寝返りや手足を動かすごとに温度が奪われる感覚があり、寒さと隣り合わせでした
ドローコードをしっかり締めても顔や口が冷たく感じました、頭周りのダウン量はほかの部位よりも少なく保温性が乏しいように感じました

下限温度は本当に下限でした、電気毛布や湯たんぽでもないと安心して寝付くことは難しいと体験できました
実験結果と感想
服装はユニクロ極暖を上下とシャツとズボンに上着にはフリース+ウルトラライトダウンジャケットで下限温度(リミット温度)でも寝付くことは可能でした

私の予想ではこれだけ着こんでいれば快適に寝られると思っていただけに実験結果には驚きです、寒さを甘く見てはいけませんね
下限温度以下の4℃での実験日も靴下とホッカイロを装備したらもっと違う結果になったかもしれません(気になります)
ヨーロピアン・ノームは正しく、確かに下限温度(リミット温度)は男性がシュラフ内で丸くなれば寝られるので正しい表記でした(快適に寝られるとは書いてない)
下限温度はやはり体格に恵まれたヨーロッパの方を基準にされているので日本人標準体型の私では下限温度での運用は難しいことがわかりました
実験から下限温度+5℃が最低気温の条件でシュラフを選んでキャンプすればある程度快適な睡眠が取れるとなりました、または素直に快適温度を最低気温に合わせること
下限温度付近でもシュラフ内は体温がある程度保持されていて暖かいのですが、寝返りや手の曲げ伸ばしでシュラフの内側に触れてしまうと途端に体温を奪われます、地面にエアマットを敷いていたので地面からの底冷えはなかったので睡眠をある程度取れましたが、銀マットなどで同じ温度でトライしたら寝られていないでしょう
シュラフにある下限温度で選ぶのはやめて、快適温度で選ぶことが正しいシュラフ選びと学びました、ただ寝られることと快適に寝られるでは翌日の疲労感が全然違うので楽しかった記憶になるか、疲れた記憶になるか大きく異なります
冬キャンプに挑戦される方の参考になれば幸いです
ではっ!
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